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2012年10月23日

「徳永先生のエピソード」(前編)


東井義雄 著 『拝まない者もおがまれている』より
────────────────────────────────
   “教育界の国宝”と呼ばれた伝説の教師で、
   『自分を育てるのは自分』などの著書もある
    東井義雄先生の記事をご紹介します。

   *   *   *   *   *   *

 その頃、八代市には、ほんとに偉い先生がいらっしゃいました。
徳永康起先生という先生でした。
年令は、私とおなじ明治四十五年生まれの方ですが、
私など、とてもとてもお足許にも寄れぬ程の方でした。
三十何歳かで抜擢されて校長の職につかれながら、
御自ら志願して降格され、子どもたちのために心血を
捧げられていた先生でした。
年中、午前三時にはご起床、お勉強という方でした。

 八代で、その徳永先生といっしょに泊めていただきました。
午前三時、私も目は覚めておりましたが、寝床の中で
モゾモゾやっていると、徳永先生はパッととびおき、
合掌正座されていました。
私は、もうはずかしくなって、いよいよモゾモゾしていました。
 先生は、私が目を覚ましていることを知っておられて、
私の足もとにお坐りになりました。

「東井先生、目を覚ましておいでになるようですが、
 うつ伏せにたってください」
「何事でしょうか」
「まあ、うつ伏せになってください」
とおっしゃるものですからうつ伏せになりました。
「これからあなたの足の裏をもませてもらいます」
「もったいない、こらえてください。先生のような尊い方に
 足の裏なんかもんでいただいては、バチがあたって、
 足がはれて帰れなくなってしまいます」
と、お断りをするのですが、聞き入れていただけません。

「東井先生は、奥さんの足の裏をもんであげられたことがありますか」
「ありません」
「それではゆるしてあげるわけにはいきません。
 明日、お家にお帰りになったら、私がもんだのとおなじように、
 一度、奥さんの足の裏をもんであげてください」
とおっしゃるのです。
 私は、妻の足の裏なんか一度ももんだことないものですから、
仰せに従うより仕方ありません。うつ伏せになると、
「ひとの足の裏をもませてもらうときには、まず合掌して
 足の裏を拝ませてもらうのです」

そういわれてていねいに合掌されるものですから、私はたまりません。
思わずおき上がって、
「やめてください。バチがあたります」
と、おしとどめようとするのですが、聞き入れてはもらえません。
もう、言われるままにするしかありません。

 またうつ伏せになったのをていねいに拝み、親指の指の先から順番に、
指の根もとまでもみおろされます。
どの指もどの指も、ほんとにていねいにもみおろされます。
指と指との間が終わると、だんだん、足の裏の中心部に移っていかれます。
いよいよ中心部に移られると、
「東井先生、ここをグーッとおすと、腹の方までひびいてくるでしょう。
腹のはたらきがよくなるんです。ここは『足心』というところなんです」
などといいながら、ずいぶん時間をかけて、踵のあたりから、
足首の方までもんでくださるのです。
なんだか、もったいなすぎてやりきれない思いでした。

               (つづく)



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