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2013年01月11日

「師に学んだ『古事記』の心、日本の心」


 栗山要(ジャーナリスト)
 『致知』2012年5月号
  特集「その位に素して行う」より
────────────────────────────────────

 ここに私が生涯の宝として大切に保管している書があります。
「切散八俣遠呂智(きりはなつやまたのおろち)
 負袋爲従者率往(ふくろをしよいともびととなりていきき)」
 意訳すれば、
「八俣遠呂智(八岐大蛇)のような生き方を遠ざけ、
 袋を背負い、従者となり、人生を歩いていこう」
 となります。

 これは私に『古事記』の本質を説いてくださった
 恩師・阿部國治先生の信条を示す言葉です。
 東京帝国大学法学部を首席で卒業され、
 将来を約束されていた阿部先生は、
「八俣遠呂智のような権力者の生き方と決別して、
 大國主命のように、人々の苦労が詰まっている袋を背負って、
 世の中の下積みになるような仕事をしていこう」
 と決意されたのです。
 この「袋背負いの心」こそが
『古事記』が我々に説き示してくれている本質であり、
 日本人の原点、大和心の神髄なのです。
『古事記』には、大國主命の生き方を通じて

「袋背負いの心」について端的に記されています。
 年頃になった大國主命と八十神(大國主命の兄神)たちは、
 親神の希(ねが)いを受け、
 日本一の比賣神(ひめがみ)と謳われる
 稲羽の国の八上比賣(やかみひめ)のもとへ
 求婚に赴くことになりました。
 その際に大國主命は八十神から、
 旅の道程で必要なすべての荷物を皆の代わりに
 背負っていくよう頼まれます。
 大國主命は、人にものを頼まれれば
 万難を排して引き受けようとする心を持っていました。
 そこで大國主命は大きな袋を作り、
 八十神たちの荷物をすべてその中に入れて
 背負っていくことにしたのです。
 大國主命は身軽な他の八十神たちにいつも遅れ、
 一人後からついていきます。
 その様子はどう見ても従者のようでしたが、
 その表情には些かも悲観や怒りの念は窺えず、
 いつも微笑みをたたえ、元気な足取りで荷物を運んでいました。
 結果的に八上比賣が選んだのは、
 他の八十神ではなく、大國主命でした。

 阿部先生は、大國主命が他の八十神たちが敬遠した荷物運びを
 すべて引き受けた気持ちが非常に大切だと強調され、
「できるだけたくさん、
 他人様の世話をやかせていただくことが立派なことであり、
 他人の苦労を背負い込むことを喜びとせよ」

 と説かれています。
 同時に、自分はこういうことをしてあげているのだから偉い、
感謝されるのは当たり前という思いを抱くことを戒め、

 これは大事な仕事である、
 しなければならない仕事であると思ってその仕事をするなら、
 それでもうすべてである。
 その仕事をすること、それ自体が喜びであり、感謝である。
 仕事の中では、他人様の苦労を背負うことが一番大切な仕事であり、
 それが大和民族の本来の姿であると説かれています。 



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