2013年10月18日
【経営の神様が語る『成功と失敗』の差】
山下俊彦(松下電器産業元相談役)
『一流たちの金言』致知出版より
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創業間もないころ、
近所に松下幸之助と同じように
電気屋を始めた人がいました。
結局、その人は
会社を駄目にしてしまうのですが、
数年後、再会したときに
その人が幸之助さんに、
「私も一所懸命仕事をしたが、
どうも思うようにいかなかった。
たまたま少しうまくいきかけると、
売った先が金をくれなかったり、
頼りにしていた工員が辞めたりして、
挫折してしまった。
同じように商売を始めた君が、
何の支障もなく
発展していくのが、
不思議だ」
それに対して、
幸之助さんはこう答えています。
「君ほど熱心にやっていながら、
なお仕事が成功しないのが、
私には不思議だ。
商売というのは大小の差があっても
やっただけは成功するものだと思う。
よく世間では
商売だから儲けるときもあれば
損するときもある。
得したり損したりしているうちに
成功していくというが、
自分はそうは思わない。
絶対に損をしてはいけないのである。
商売というのは真剣勝負と一緒だ。
首をはねたり、はねられたりするうちに
勝つというようなことはあり得ない。
活動すれば、
それだけの成功が
得られなければならないのだ。
もし、それができなかったら、
それは環境でも、
時宜(じぎ)でも、
運でも何でもない。
経営の進め方に
当を得ないところがあるからだ。
それを
『商売は時世時節(ときよじせつ)で
得もあれば損もある』
と考えるところに
根本の間違いがある。
商売というのは、
不景気でもよし、
好景気であれば、
なおよしと考えなければいけない。
商売上手な人は、不景気に際して
かえって進展の基礎を固めるものだ」
このエピソードは
幸之助さんの企業経営というものに
対する厳しい姿勢を
よく表していると思います。
Posted by 木鶏 at 21:00│Comments(0)
│致知(仕事・プロ観)