2013年04月08日
【胎内記憶に心耳を澄ます】⑥
⑤からのつづき
池川 明(池川クリニック院長)&
村上和雄(筑波大学名誉教授)
『致知』2013年4月号 特集「渾身満力」
連載「生命のメッセージ」より
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生まれる前の記憶を語る子供たちがいるという。
この「胎内記憶」が我われに示唆するものは何か。
医療の現場に胎内記憶を生かし、
妊産婦の啓蒙に尽力してきた池川明氏とともに、
従来の常識にとらわれないこれからの親子のあり方、
生き方について語り合った。
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(村上)
流産という悲しみを経てそうなったわけですね。
(池川)
それからあるお母さんは、自分が子供の頃に
虐待を受けて嫌な思いをしたのに、今度は
白分が我が子に虐待をしていた。ある時
我が子の写真を見たら、目の奥に仏様の
慈悲の心が見えてハッとしたそうなんです。
すぐ子供にそれまでのことを謝ったら、
その子は僅か五歳なんですが
「僕はお母さんが分かってくれるって信じて
いた。だってお母さんがそうするのはお祖母
ちゃんからそうされたからだし、お祖母ちゃんも
そうされてたんだから誰も悪くない。
お母さんが気づいてやめてくれてよかった」
って言ったそうなんです。
(村上)
考えさせられる話ですね。その母親のように、
自分が子供に選ばれたことを自覚すれば、
親子関係は随分変わるでしょう。
(池川)
それは子供にも言えることで、この母親を
選んだと思うと親子関係はよくなります。
人生が辛かった人も豊かになるんです。
(村上)
こういう話は、魂の存在を肯定しないと
深く理解できないと思うんです。僕は致知
出版社から出した『魂と遺伝子の法則』にも
書いたんですが、人間というのは肉体と心と
魂によって成り立っていて、魂は永遠のいのち、
サムシング・グレートとでもいうべきものに
繋かっていると考えているんです。
そして遺伝子は魂の情報、つまり生まれる前の
情報も持っていると考えると、池川先生のお話
も納得できます。
魂の話をすると、おまえは科学者ではないと
批判されますか、僕はかまわない。魂かあると
仮定したほうが人間を理解しやすいですからね。
科学的に証明されようがされまいが、大事なことは、
そういう前提で話を進めることで、人が幸せに
なれるかどうかなんです。
同様に胎児記億の話も、それによって人の
幸せに結びつくのであれば、肯定的に受けとめる
べきだと僕は思います。なぜなら、いのちの本質に
ついては、いまだに科学的にはほとんど解明され
ていませんから。
(池川)
村上先生にそう言っていただけると本当に心強いです。
こういう話を科学バリバリの人に理解していただくのは
とても難しいですからね。私は最初、産科医の
先生方が変わればお産か変わり、日本も変わると
思って一所懸命働きかけたんですか、一向に変わりま
せんでした。そこでお母さんに働きかけをして、
お産をする方の多くが赤ちゃんに記億があることを
理解する時代になったんです。
今後はこれをもう少し深めて、赤ちゃんと会話すること
の大切さや、お母さんの気持ちか赤ちゃんの成長に
大きな影響を及ぼすことをもっとご理解いただきたいと
考えています。こうした考え方がもっと広がれば、
医学界も無視できなくなると期待しているんです。
⑦につづく
Posted by 木鶏 at 21:00│Comments(0)
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